■時間領域解析で自律神経のトーン、周波数解析で成分を分析
時間領域解析であるCVRRは心拍変動のゆらぎの大きさの変動係数です。
CVRR=(R-R間隔の標準偏差/R-R間隔の平均値)×100 (%)
周波数解析は光の成分(色)をプリズムによって分けるのと同じ原理で、複数の波からなる変動をその成分に分解し、
各成分の大きさ(パワー)をスペクトルとして表します。
心拍変動の揺らぎの大きさの係数であるCVRRは、心拍変動の周波数解析した結果の成分(HF、LF、VLF)の集合体であり、計算式で合致します。
ということは、CVRRは自律神経の総和であり、周波数解析結果はその成分という関係が成立します。
その組み合わせで、相対評価から絶対評価が可能になります。
クロスウェルでは時間領域解析、周波数解析を同時に行うことにより、解析結果を組み合わせて表示し、定量評価を可能にしました。
■LF成分は、薬理遮断による実験から、交感神経と副交感神経の両方の活動を反映するとされており、HF成分はpropranolによる交感神経の薬理遮断では減少せずに、atropineによる迷走神経薬理遮断で消失されることが証明されています。
(参考:Hayano et al.,1991:
Accuracy of assessment of cardiac vagal tone by heart rate variability in normal subjects. Am J Cardiol. 1991 Jan 15;67(2):199–204.)