自律神経回路からみたヘッドアップチルト試験
目次
- 1 ■自律神経回路
- 2 自律神経中枢は、求心路として中枢神経・内臓感覚神経の信号を受け、遠心路として交感神経・副交感神経の信号を出力します。自律神経(交感神経・副交感神経)と自律神経により調節される内分泌によって全器官をコントロールしています。
- 3 ■ティルトアップは自律神経のはたらきを評価する有効な手段です
- 4 ティルトアップ・起立により血液が重力・ニュートンの法則で、下肢に貯留し、静脈環流量が減少します。健常な場合は、左心室容積減少によるメカノ受容体、瞬間的な血圧低下による圧受容体の信号により、自律神経中枢から、交感神経亢進の信号を出し、心拍の増加と末梢血管を収縮し、脳血流を維持します。さらに、レニン- アンジオテンシン- アルドステロン系の活性化および抗利尿ホルモンの分泌により、循環血液量を増加させることにより、立位に適した脳血流を維持します。
- 5 ■ヘッドアップチルト試験(起立負荷試験)の目的
- 6 神経調節性失神(心抑制型・血管抑制型・混合型)をはじめ血管迷走失神、頚動脈洞症候群、情動失神、状況失神(排尿・嚥下・排便・食後・咳など)などの神経調整性失神症候群の診断・治療効果の判定には、ティルト試験による交感神経・副交感神経の機能評価が有用です。
■自律神経回路
自律神経中枢は、求心路として中枢神経・内臓感覚神経の信号を受け、遠心路として交感神経・副交感神経の信号を出力します。自律神経(交感神経・副交感神経)と自律神経により調節される内分泌によって全器官をコントロールしています。
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■ティルトアップは自律神経のはたらきを評価する有効な手段です
ティルトアップ・起立により血液が重力・ニュートンの法則で、下肢に貯留し、静脈環流量が減少します。健常な場合は、左心室容積減少によるメカノ受容体、瞬間的な血圧低下による圧受容体の信号により、自律神経中枢から、交感神経亢進の信号を出し、心拍の増加と末梢血管を収縮し、脳血流を維持します。さらに、レニン- アンジオテンシン- アルドステロン系の活性化および抗利尿ホルモンの分泌により、循環血液量を増加させることにより、立位に適した脳血流を維持します。
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