「第1回臨床自律神経機能Forum」抄録

■勝俣 良紀 慶應義塾大学循環器内科

これまで運動中のリアルタイムな自律神経活動評価は困難であった。
我々は、健常者(n=30, 年齢30±7歳)及び心筋梗塞患者(n=30, 年齢60±13歳)に対し、最大エントロピー法による心拍変動解析を用いて、漸増負荷による心肺運動負荷検査 (CPX)中の自律神経活動(高周波成分:HF、低周波成分:LF)を連続的に評価した。
全ての被験者でCPX中の自律神経活動の可視化がリアルタイムに可能であった(図)。また、自律神経活動の転換点(交感から副交感神経活動;8心拍連続HF≦5かつLF/HF>0.1)における酸素摂取量は、嫌気性代謝閾値  (AT)における酸素摂取量と良好な相関関係を認めた(健常者:r=0.92、心筋梗塞:r=094)。CPX中の自律神経活動のリアルタイム解析は、AT決定の一指標となりえた。

健常人運動中

健常人運動中