お陰様で平成28年11月27日(日)第1回臨床自律神経機能Forumを盛会のうちに終えることができました。座長・講師の方、ご参加いただきました皆様、協賛企業の皆様、有志の皆様、ご協力いただきました全ての皆様にお礼申し上げます。不慣れなゆえ行き届かぬ点も多々あったかと存じますが、ぜひ2回目も、というお言葉を多くいただき、大きな励みになっております。

臨床自律神経機能Forum 事務局

株式会社クロスウェル 藤井智恵子

第1回臨床自律神経機能Forum 平成28年11月27日

「第1回臨床自律神経機能Forum開催に寄せて」 
 歯科用に開発された”治療名人”は多くの先生方に、歯科治療時の緊張・ストレスから来る危険防止に役立ち、発売された。つづいて、臨床医や健診に用いる”きりつ名人”が発売され、幾つかの受賞とともに、名人シリーズは約1000台販売されている。本器機は身体活動と自律神経活動のリアルタイムでの変動を正確かつ的確に捉え、視覚的に判り易く表現したのが好評で、各種疾患の診断、治療あるいは疾病の予防に繫がる医療機器として高く評価されている。 しかし、この機器は各施設、各ユーザーで使い方がばらばらである。各施設での用い方や創意工夫をお互いに情報交換する場が必要であると考えていた。今回の企画は、自由時間をたっぷりとって各ユーザーが情報交換するために催された。また、これから新しく利用する方々には臨床での使い方を実際にみて、考える絶好の機会になるであろう。 このフォーラムがきっかけとなり、自律神経機能検査が臨床と研究の各領域で更に広く用いられ、故永谷社長の掲げていた、医療人と国民に役立つ情報器機として大きく育つことを願っている。 
富山逓信病院 病院長 高田正信
開催挨拶
出川寿一先生(川崎市内科医会会長・宮前平健栄クリニック・院長)

%e5%87%ba%e5%b7%9d%e5%85%88%e7%94%9f

 

 

 

 

 

第1部  心拍変動による自律神経反応評価の可能性

座長:高田正信先生 (富山逓信病院・院長)

img_0063

 

 

 

 

 

 

「心拍変動の歴史・今後の可能性について」
 早野順一郎先生 (名古屋市立大学医学研究科・教授img_0049心拍のゆらぎ-心拍変動は人類にとって常に興味の対象であるらしく、最初の記載は紀元前300年頃のHerophilosまで溯る。現在の心拍変動時間領域の分析は1960年代にホルター心電図の開発とともに始まり、周波数領域の分析は1970年代にSayers, B. M.によって導入された。心拍変動は、自律神経の薬理学的除神経や心臓移植によって消失する。したがって、その起源は脳にあり、自律神経を介して心臓に伝達される。心拍変動には脳によって捉えられたストレスや、健康状態およびそのリスクが反映されており、心拍変動解析は、脳と心臓の間の交信状態やその内容を傍受する手段と考えることもできる。ICTの発達により、心拍情報を収集するデバイスやシステムが普及し、心拍のビッグデータも構築されつつある。また、新たな心拍変動解析法の開発は留まるところがない。心拍変動解析は心拍情報の活用ツールとして利用されることが多くなり、適切な分析法や解釈に関する研究の重要性が従来にも増して大きくなりつつある。

ARV

 

 

「起立負荷試験検査の現状報告 基準値としての可能性について」
 有田幹雄先生 (和歌山県立医科大学・名誉教授)
 %e6%9c%89%e7%94%b0%e5%85%88%e7%94%9f
■有田幹雄、宮井信行、内海みよ子、志波 充、竹下達也  和歌山県立医科大学

【背景】
 自律神経障害の一つである起立性血圧調節障害は高齢者や糖尿病患者でその頻度が増加し、臓器障害の進行と長期的な生命予後の悪化に関連するとされている。起立性低血圧の詳細な検討にはチルトテーブルを用いたヘッドアップチルト試験が用いられているが、最近は日常診療で簡便な検査として、安静5分後、1-2分の座位から能動的に起立後1-3分後の血圧を測定することが普及しつつある。
 【目的】
 日常診療で簡便な検査として、安静5分後1-2分の座位から能動的に起立後2分後の血圧・脈拍を測定し、その血圧・脈拍変化や自律神経系の指標の基準値を作成する。
 【対象・方法】我々が実施している地域疫学研究の対象集団6285人(40歳~75歳)の中から、起立時の血圧変動と自律神経反応を測定した2217名(男性959名、女性1258名)のデータから、基準値の設定を行った。このうち高血圧や糖尿病などの疾患のあるもの1282名を除いた935名(男421:女514)の正常人を対象とした。自律神経反射を簡便な手法である座位から立位にした際の血圧変化を観察した。起立負荷は座位2分、立位2分、座位1分の簡便法で行った。検査中は血圧、心拍を1分おきに自動測定するとともに、RR間隔変動係数(CVRR)、交感神経指標(LF/HF)、副交感神経指標(CCVHF)を記録し、自律神経機能を評価した。
 【結果】
 安静時収縮期血圧(SBP)は122.0±14.7mmHg、起立負荷時119.3±10.8mmHgであり、ΔSBP (起立時-安静時)は-3.5±10.8mmHgであった。加齢に伴いSBP、脈圧は有意に増加した。一方、ΔSBP,Δ脈圧は加齢に伴い有意に減少した。心拍数は安静時、起立時有意な変化は見られなかったが、ΔHRは年齢と共に減少した。CVRR,起立時CVRR,ΔCVRRは年齢に伴い有意に減少した。安静時CCVL/Hは年齢による変化は見られなかった。CCVHFは安静時、起立後の着席時ともに加齢に伴い有意に減少した。
 【考察】
 血圧は40歳から75歳まで、加齢に伴い上昇し脈圧も増加した。起立負荷に伴う血圧の降下度は加齢により増加した。安静時交感神経指標は年齢と関連を示さず、起立時交感神経反射は年齢と共に減少した。副交感神経指標は安静時、起立後の着席時ともに年齢と共に減少した。自律神経活動全体は安静時、起立時ともに年齢と共に減少した。正常人の起立時交感神経反射・副交感神経反射の年齢的な変化を解析し、年齢ごとの基準値を作成することにより今後の臨床的な応用が期待される。
講演会場の様子

img_0168

 

 

 

 

 

第2部 動的自律神経反応のビジュアライゼーション

座長:黒岩義之先生(日本自律神経学会・理事長、横浜市立大学・名誉教授)

%e9%bb%92%e5%b2%a9%e5%85%88%e7%94%9f

 

 

 

 

 

「神経疾患における心拍変動評価の意義」 朝比奈正人先生(神経内科津田沼・所長)

%e6%9c%9d%e6%af%94%e5%a5%88%e5%85%88%e7%94%9f%ef%bc%92神経疾患は自律神経不全を伴うことが多く、神経内科領域の臨床で自律神経の評価は重要である。自律神経障害は突然死の原因となり、患者の生命予後に影響する。また、起立性低血圧は起立困難によりADLを制限し、頻尿や便秘はQoLを低下させる。さらに、自律神経障害の評価は、神経疾患の診断においても重要である。簡便で非侵襲的な心拍変動検査は、head-up tilt検査と並んで神経内科領域の臨床で最も汎用されている心循環系自律神経機能検査のひとつである。
 自律神経不全を主症状とする神経疾患として自律神経不全に加えてパーキンソニズムや小脳症候を伴う多系統萎縮症、自律神経不全のみを呈する純粋自律神経不全症などがあり、これらの疾患では心拍変動は低下する。筋強剛、動作緩慢、静止時振戦、歩行・姿勢反射障害などを呈するパーキンソン病も自律神経不全をしばしば伴い、心拍変動も低下する。パーキンソン病の類縁疾患であるレビー小体型認知症においても自律神経不全がみられるが、その程度はパーキンソン病よりも重度なことが多く、心拍変動の低下は顕著である。家族性脊髄小脳変性症であるMachado-Joseph病(SCA3)においても軽度の心拍変動の低下がみられ、frequency-domain解析では交感神経優位の所見を呈する。また、心拍変動の評価は、糖尿病性ニューロパチーを鋭敏にとらえることが可能である。一方、POEMS(クロウ・深瀬症候群)では、重度の体性末梢神経障害を呈しても末梢自律神経障害は軽微であることが多く、心拍変動も正常である。

 

「100Hz 鍼通電が唾液中分泌型免疫グロブリンA および自律神経系に及ぼす影響」
 久島達也先生(帝京平成大学・教授img_0116脇英彰1)、鈴木卓也1)、上馬塲和夫1,2,3)、久島達也1,2,3)

1) 帝京平成大学大学院健康科学研究科  2) 帝京平成大学ヒューマンケア学部鍼灸学科
 3) 帝京平成大学東洋医学研究所
 【目的】
 唾液中のsIgA量は自律神経系によって制御されていることから、100Hz鍼通電がこれらに及ぼす影響を検証した。

【方法】
 健常者16名(男女、20-23歳)を対象に無処置群と鍼通電群に割り付け、クロスオーバー試験を実施した。鍼通電刺激は、頻度を100Hz、部位を両側前腕とし、5分間の安静後に15分間行った。刺激終了後は40分間の安静を持続させた。自律神経機能評価として、心拍変動解析による低周波(LF)と高周波(HF)成分を刺激前、刺激終了直後、20、40分後に測定し、LF/HFを交感神経活動、HFを副交感神経活動の指標とした。唾液中sIgA量は、自律神経機能評価と同時期に採取した唾液を試料として、Brad ford法とELISA法により蛋白補正値を評価した。

【結果】
 LF/HFは鍼通電刺激終了直後、HFはその刺激終了20分後に有意に増加した。唾液中sIgA蛋白補正値は、刺激終了40分後に有意に増加し、刺激終了20分後のHFに正の相関を示した。

【結語】
 100Hz鍼通電は自律神経機能に作用することで唾液中sIgA量を増加させる可能性が示唆された。研究の重要性が従来にも増して大きくなりつつある。
「運動負荷時の心拍変動解析」
 勝俣良紀先生(慶應義塾大学循環器内科・助教)

img_0128これまで運動中のリアルタイムな自律神経活動評価は困難であった。
 我々は、健常者(n=30, 年齢30±7歳)及び心筋梗塞患者(n=30, 年齢60±13歳)に対し、最大エントロピー法による心拍変動解析を用いて、漸増負荷による心肺運動負荷検査 (CPX)中の自律神経活動(高周波成分:HF、低周波成分:LF)を連続的に評価した。
 全ての被験者でCPX中の自律神経活動の可視化がリアルタイムに可能であった(図)。また、自律神経活動の転換点(交感から副交感神経活動;8心拍連続HF≦5かつLF/HF>0.1)における酸素摂取量は、嫌気性代謝閾値  (AT)における酸素摂取量と良好な相関関係を認めた(健常者:r=0.92、心筋梗塞:r=094)。CPX中の自律神経活動のリアルタイム解析は、AT決定の一指標となりえた。

健常人運動中

健常人運動中

 

第3部 様々な病態における静的自律神経機能評価の可能性について

座長:下澤達雄先生(東京大学検査部・講師)

%e4%b8%8b%e6%be%a4%e5%85%88%e7%94%9f%e3%83%bb%e5%b9%b3%e4%ba%95%e5%85%88%e7%94%9f左 下澤先生

右 平井先生

 

 

 

 

「認知症診断・予防での活用の可能性」
 原田和昌先生(東京都健康長寿医療センター・副院長)

img_0159■原田和昌 石川譲治 東京都健康長寿医療センター

最近報告されたSPRINT高齢者サブ解析では、75歳以上の高血圧患者を120mmHg未満と140mmHg未満の群に無作為に割り付けたところ、厳格降圧群で全死亡が33%、複合心血管病の発症が34%抑制された。ただし本試験では自律神経異常を起こしうる糖尿病患者や脳卒中既往例が除かれていることに注意が必要である。また、JSH2014では高齢者高血圧について、「起立性低血圧や食後血圧低下の頻度が高いことに加え,摂食量減少などによっても血圧が低下することが多い。血圧動揺性も大きいことが多い」と記載されている。このように高齢者高血圧の治療において、血圧変動は大きな問題となっている。
 最近我々は、食後のめまい、失神を主訴として受診された症例を報告した。著明な食後血圧低下(-58~-64mmHg)を呈し、食後に失神をきたす軽度認知症の78歳女性患者であるが、きりつ名人にて、交感神経のactivation(ΔL/H)の著明減弱を認め、MIBG心筋シンチグラフィーなどにてレビー小体病(DLB)と診断された。シタグリプチン投与にて食後の血圧低下が減弱し、交感神経のactivationも回復傾向で、MMSEでみた認知機能も徐々に改善した。本症例以外にも、血圧変動(低下)を伴う高血圧を合併したDLB患者において降圧薬の調整などにより血圧変動が改善し、認知機能が著明に改善または不変の症例を認めており、血圧変動が認知症の原因となる可能性が示唆される。
 加齢に伴う起立性低血圧や食後血圧低下などの血圧変動の原因には多くのものが考えられるが、自律神経異常を外来で早期に診断し、治療することで、ある種の認知症の診断、治療に役立つことが期待される。
「精神科・産業メンタルヘルス領域での活用の可能性」
 稲田泰之先生(医療法人 悠仁会・理事長)

%e4%b8%8b%e6%be%a4%e3%83%bb%e7%a8%b2%e7%94%b0%e5%85%88%e7%94%9f■稲田泰之 医療法人 悠仁会

精神科が扱う疾患は一般的に「こころの病」と呼ばれることが多いが、その実態は脳の疾患である。つまり、精神疾患は脳という臓器の病気なのであり、その意味で一般的な身体疾患となんら変わりはない。しかし、その診断や症状評価、治療法となると話は別である。近年の神経科学や遺伝学の発展は目覚ましく、様々な精神疾患の生物学的・遺伝学的基盤が明らかとなりつつある。しかし、それらはあくまでも最先端の研究領域における進展であり、臨床現場において、客観的な診断や症状評価が行えるようになったわけではない。現在も、精神科領域における診断は、操作的診断基準に照らし合わせ、一定の該当症状を満たしたことを条件に診断され、症状評価も患者本人の自記による質問紙や医師による構造化面接によって行われている。診断基準や症状評価の方法が洗練されてきたことは、精神医学の発展によって得られた一つの成果であるが、一方で臨床医達は日々の診療の中で使用できる、より客観性の高いアセスメントツールを求めているのである。
 同様のニーズは、2015年12月の労働安全衛生法の改正によって実施されることとなった、ストレスチェック制度にも存在する。ストレスチェック制度とは、年に1回、労働者が自身のストレス状況に関するアンケート調査に回答し、産業医等による面接指導や職場環境改善に繋げていく試みである。本制度は、労働者の精神疾患の予防に寄与することが期待されているが、これまでの研究において、ストレスチェックの高ストレス識別は、その後のメンタル不調に対する予測力を持たないことが明らかとなっており(平成27年度 厚生労働科学研究費助成金労働安全衛生総合研究事業, 川上憲人「ストレスチェック制度による労働者のメンタルヘルス不調の予防と職場環境改善効果に関する研究」)、現在用いられている質問紙評価の妥当性には疑問が呈されている。そんな状況のなか、自律神経活動の評価は一つの可能性を持つものである。心身のストレス反応の状況について、自己報告に頼るのでなく、客観的な評価が可能になれば、産業精神保健の発展に大きく寄与するものとなるだろう。
 当日は現在、当院がクロスウェル社と共同で開発を進めている、ストレスチェック連動型のきりつ名人がねらいとしていることをお話しするとともに、当院でこれまでに行ってきた自律神経機能評価を活用した不安障害治療の方法を紹介する。
「発作性異常運動を認めるHPV vaccination associated neuro-immunopathic syndrome(HANS)
 2例における心拍変動の検討」
 平井利明先生(東京慈恵会医科大学神経内科・講師)
 黒岩義之先生(帝京大学医学部溝口病院・脳卒中センター長)
 西岡久寿樹先生(東京医科大学医学総合研究所・所長)

img_0179発作性異常運動を認めるHPV vaccination associated neuro-immunopathic syndrome(HANS) 2例における心拍変動の検討 ■平井利明1),黒岩義之2),西岡久寿樹3)4) 1)東京慈恵会医科大学神経内科,2)帝京大学医学部溝口病院脳卒中センター, 3)東京医科大学医学総合研究所,4)一般財団法人難病治療研究振興財団 【背景】 我々は子宮頚癌ワクチンの副反応、HANS(HPV vaccine-associated neuro-immunopathic syndrome)における脳血流・脳波・内分泌異常を報告し,視床下部・辺縁系を責任病巣と特定した. 【目的】 発作性異常運動を認めるHANSの自律神経異常を生理学的に捉える. 【対象・方法】 対象は発作性異常運動を認めるHANS症例(16歳と22歳の女性).「起立名人」で自律神経活動,交感神経機能(反射・活動),副交感神経機能,カテコラミン・コリン成分を評価した.2例とも起立位をとれず下肢挙上で測定した. 【結果】 16歳例で自律神経活動,副交感神経機能,カテコラミン・コリン成分の低下を,22歳例で交感神経機能(反射)の低下を認めた.共に発作時に副交感神経優位に激しく振れ,リバウンド様に交感神経優位に転じた. 【考察】 他症例でも類似の生理学的病態があるか検討を重ねたい. %e7%99%ba%e4%bd%9c%e6%80%a7%e7%95%b0%e5%b8%b8%e9%81%8b%e5%8b%95%e6%99%82

 

 

ポスター掲示

1.肥満患者の立位負荷時の自律神経機能評価

「第1回臨床自律神経機能Forum」抄録

■木村 穣、玉ノ井厚子、家村眞理子、高尾奈那、宮内拓史   関西医科大学健康科学センター

【目的】
 肥満患者の自律神経機能を安静座位および立位負荷時の心拍数周波数解析から評価した。

【方法】
 対象は当院肥満外来受診者のうちBMI30以上、心疾患、重症糖尿病および自律神経機能に影響を及ぼす薬剤を服用していない50名。自律神経機能評価として自律神経活動CVRR(R-R間隔変動係数)、交感神経活動指標L/H(0.04-0.15HZ低周波成分(LF)/0.15-0.40Hz高周波成分(HF)を用いた。年齢、BMI、DEXA法(二重X線吸収測定法)体組成、臍部CTによる内臓・皮下脂肪面積、PWV(脈波伝播速度)、心肺運動負荷試験によるAT(嫌気性代謝閾値)・peakVO2(最高酸素摂取量)、インスリン抵抗性指標HOMA-Rと比較検討した。周波数解析には「起立名人」(クロスウェル社)を用い、安静座位3分後に起立負荷施行、立位保持3分間施行し、安静座位1分・立位保持後1分(立位後)のデーターを用いた。

【結果】
 男性15例、女性36例、平均年齢45.8±14.6才、BMI37.4±6.2、内臓脂肪面積178.3±66.5、 HOMA-R2.8±2.0であった。肥満において安静時CVRRは年齢(r=-0.29)、内臓脂肪面積(r=-0.32)と有意な負の関係を認めた。立位負荷によりCVRRは増加するが、その増加量は年齢とともに低下し内臓脂肪面積とさらに有意な負の相関(r=-0.50)を認めた。しかし一部内臓脂肪の増加にて増加する例も認められた。立位後のCVRRの変化量は、PeakVO2と負の相関(r=-0.36)を認めた。立位後のL/HはHOMA-Rと正の関係(r=0.25)を認めた。

【総括】
 肥満患者の心拍数周波数解析から求められる自律神経指標は、内臓脂肪の増加で低下し、起立負荷の変化も内蔵脂肪の増加で低下した。ただし起立負荷の反応は同じ内臓脂肪量でも異なることより、その他の影響についても検討する必要があると考えられた。
2.歯科治療時におけるアルコール依存症患者の自律神経解析  とくに起立性低血圧症について

■井上 裕之1、5) 長谷 則子2) 井出 桃3) 松坂 利之4) 長谷 徹3) 宮城 敦5)  西村 康3) 柿木保明6)

1) 国立病院機構 久里浜医療センター 歯科  2) 神奈川歯科大学  歯学部  3) 神奈川歯科大学短期大学部 歯科衛生学科
 4) 労働者福祉機構 関東労災病院臨床心理 5) 神奈川歯科大学  障害者歯科6) 九州歯科大学  老年障害者歯科学分野

【はじめに】
 これまで我々は、アルコール依存症患者の歯科治療中における体調リスクマネージメントが極めて重要かつ有用との考えから多くの症例でモニタリングを実施し、その内容について報告してきた。今回は、アルコール依存症患者においては起立性低血圧症状が現われるとの報告をもとに、これまでモニタリングを実施してきた症例の中で起立性低血圧症状を呈した患者の自律神経機能解析を行い、その発症メカニズムに ついて検討を加えたので報告する。
 【方法および対象】
 クロスウェル社製心拍変動解析装置 きりつ名人® を用い、心拍変動解析から得られた心電図波形ならびに自律神経の働きによって変化する心拍揺らぎを交感神経と副交感神経の揺らぎ周期の相違から解析することで交感神経、副交感神経のバランスを評価した。治療開始前の安静位のデータとして自律神経活動の評価はCVRR  ( 心電図R-R間隔変動係数;Coefficent of Variation for R-R intervals )により、自律神経バランスはLF/HF(L/H)により行った。また、心拍数、血圧値から循環機能を評価した。   対象は平成22年5月~平成26年4月までに久里浜医療センタ-歯科に受診した経験のあるアルコ-ル依存症患者である。
 【結果】
 対象者の内、SYS(収縮期血圧)値が起立直後あるいは起立1分後に21mmHg以上、もしくはDIA(拡張期血圧)値が起立直後あるいは起立1分後に11mmHg以上ルコ-ル症患者のうち起立性低血圧症状を呈する患者が歯科治療中にどのような低下したものを選別し、起立性低血圧症状群と判定した。その結果今回研究対象となった88人(男性79人、女性9人、平均年齢 43.2年)のうち、起立性低血圧症状を呈する患者(以後起立性低血圧群)と判定されたのは6人 (男性5人、女性1人)で全体の6.82%、平均年齢は44歳であった。これに対して 起立性高血圧症状を呈する患者は14人(15.9%)で、全体として68人(77.3%)が起立負荷に対して正常な血圧制御反応を示していた。
 【考察】
 今回の調査対象となったアルコール症患者全体の自律神経活動状況は、各種パラメーターのうち心拍数において上昇傾向を示すものが多いことが分かった。一般に心拍数は洞房結節に存在するペースメーカー細胞の自律的興奮によるが、細胞自体の興奮性は交感神経と副交感神経の活動のバランスによって制御されており、実際の心拍数はペースメーカー細胞自体の興奮(内因性心拍数) よりも低く抑えられている。今回の研究では、起立負荷を与えることにより被験者88人のうち32人に心拍数の増加傾向がみられ、交感神経系のβ作用の活動が高まっていることが推察される。
 一方、起立性低血圧群では、心拍数、起立-安静時心拍反応、CVRRともに 半数が過剰に反応する傾向が認められ、安静時の自律神経機能は亢進傾向であると考えられる。ただし、起立-安静時心拍反応に関しては低下傾向を示すものの 割合も一般的な割合の4倍を超えており、症例を増やしてより詳細な検討が必要と思われる。起立時交感神経反応(L/H)は一般的であるのに対して、安静時交感 神経反応(L/H)では過剰な反応を示すものが半数となっていた。このことは、起立性低血圧症状を訴えるアルコール症患者は安静時の交感神経系の機能が過剰 気味に反応している反面、起立負荷による交感神経の機能が相対的に低下していることから低血圧症状を呈し、その後、起立維持では副交感神経活動が回復してくると考えられる。
 以上、アルコ-ル症患者の自律神経機能は健常者とは異なり、ストレスが掛かり易い歯科治療時にはより詳細な体調管理の必要性を示唆するものと考える。
3.Music Attenuated a Decrease in Parasympathetic Nervous System Activity after Exercise
 音楽は運動後の副交感神経活動の低下を減弱した

■賈添天1), 小川佳子2), 三浦美佐3), 伊藤 修1), 上月正博1)

1) 東北大学大学院医学系研究科内部障害学分野 2) 帝京大学医療技術学部スポーツ医療学科
 3) 筑波技術大学保健科学部保健学科理学療法学専攻

Music Attenuated a Decrease in Parasympathetic Nervous System Activity after Exercise

【背景と目的】
 継続的な運動(運動療法)は、心大血管疾患患者の自律神経系のアンバランスを改善するが、単回の運動は交感神経活動を亢進し副交感神経活動を低下させる。運動終了後には運動を終了すると、運動中には低下していた副交感神経活動が急激に回復するが、この回復反応は心臓へのストレス回避のための反応であり、回復反応の遅れは運動後の致死性の不整脈の発生や心臓突然死と関連している。したがって、運動を安全に行う上で、運動後の副交感神経活動の回復を高め、運動に伴う心臓へのストレスを減らすことは非常に重要である。
 一方、音楽は、自律神経活動を調整すると言われており、特に、気分を落ち着かせるような音楽は副交感神経活動を高めることが明らかになっている。そこで、本研究では、気分を落ち着かせるような音楽を聴きながら運動することにより、運動後の副交感神経活動を高めることができるかどうかを検討した。

【対象】
 健康な若年成人(男性 12名、女性 14名、平均年齢 27.9±0.7歳)

【方法】
 (1)何もしないで座っている(安静セッション)、(2)被験者自身が選んだ気分を落ち着かせるような音楽を聴きながら座っている(音楽セッション)、(3)「ややきつい」と感じるくらいの自転車こぎ運動を行う(運動セッション)、および(4)音楽を聴きながら自転車こぎ運動を行う(併用セッション)という4つのセッションをそれぞれ別の日に15分間行い、セッション前後の自律神経
 活動を心拍変動解析ソフト「きりつ名人®」(クロスウェル社)
 を用いて測定した。

【結果】
 音楽セッションでは、セッション終了後の副交感神経活動が有意に増加し、運動セッションではセッション終了後の副交感神経活動が有意に低下していましたが、音楽を聴きながら運動した併用セッションでは、セッション終了後の副交感神経活動は介入前の値とほぼ同じであった。なお、交感神経活動にはセッション前後およびセッション間の有意差はなかった。

【考察と今後の展望】
 本研究の結果は、被験者自身が選んだ気分を落ち着かせるような音楽が運動による副交感神経活動の低下を和らげたことを意味している。本研究は、音楽が運動後の副交感神経活動に良い効果をもたらすことを科学的に明らかにした初めての報告であり、音楽と運動を併用することでより安全に運動を実施することができることが明らかになったことにより、より積極的な運動あるいは運動療法の実施につながると思われる。
 また、今回は音楽と運動の併用の単回の効果を検証したが、今後、併用療法を長期的に繰り返すことにより、音楽療法あるいは運動療法それぞれ単独よりもより大きな効果が得られる可能性も考えられ、心血管疾患のみならず様々な疾病に対する新しいリハビリテーションプログラムの確立につながることが期待される。

■きりつ名人 関連論文
 Music Attenuated a Decrease in Parasympathetic Nervous System Activity after Exercise
 Jia T, Ogawa Y Miura M, Ito O, Kohzuki M., PLoS ONE 11 (2), 2016

4.冷え症患者におけるリアルタイム自律神経検査装置と電子瞳孔計による 自律神経バランス評価の違い

■伊藤 剛 北里大学東洋医学総合研究所

【目的】リアルタイム自律神経検査装置と電子瞳孔計における自律神経バランス評価の相関 性を冷え症患者において検証した。
 【方法】検査に同意を得た冷え症4タイプ(混合型含む)90例のうち、今回は皮膚温や深部体温、生理検査データに不備の無い下半身型冷え症(女性)10例、内蔵型冷え症(女性)10例を対象とした。リアルタイム自律神経検査装置(きりつ名人Ⓡ)の自律神経バランス指標を示す安静時LF/HFと、同時期に測定した電子瞳孔計(イリスコーダⓇ)による自律神経バランスを示す散瞳時間と縮瞳時間のパラメータ比t5/t3との相関を検討した。なお、電子瞳孔計は右眼のデータを用い、解析にはピアソンの相関関係解析を用いた。
 【結果】自律神経バランスの指標である安静時LF/HFとパラメータ比t5/t3は、下半身型冷え症では有意な正の相関(R=0.93、P=0.00010)を認め(図1)、内蔵型冷え症では有意な負の相関(R=-0.87、P=0.00096)を認めた(図2)。
 【考察】下半身型冷え症の自律神経バランスは、実質的には逆の相関を示すことから、心臓性の交感神経が強い場合、中枢性の副交感神経が誘導されるような状況が推察される。一方、内蔵型冷え症では、実質的には正の相関を示すことから中枢性の自律神経バランスがそのまま心臓性の自律神経バランスに連動している可能性が示唆された。これはこれまでの研究により明らかにしてきた内蔵型冷え症の副交感神経優位性と関連する可能性がある。
 【結論】心臓の自律神経バランスを示す安静時LF/HFは、電子瞳孔計における中枢性の自律神経バランスであるt5/t3と一定条件内において相関する場合があるが、常に相関するのではなく、自律神経の地域性や抑制反応により病態において異なるため、それぞれの自律神経バランス検査を評価する上では注意が必要である。

冷え性
 




5.生活習慣病患者において頚動脈球部の内膜中膜複合体肥厚は起立性低血圧の重症化に関わる

■小林 雄祐 横須賀市立市民病院 腎臓内科所属、横浜市立大学医学部 客員研究員

ISH2016 Austin Doyle Award Abstract

Intima-media thickness of the carotid bulb is associated with worsening of orthostatic hypotension
 in patients with metabolic disorder

Objective: Though both carotid bulb and aortic arch are known to play important roles in regulation of blood pressure through modulation in baroreflex function, few studies have investigated the association of carotid bulb atherosclerosis and large arterial stiffness and orthostatic blood pressure change.
 Design and Method: Patients with metabolic disorder such as hypertension, dyslipidemia and diabetes mellitus underwent measurement of segment-specific carotid intima-media thickness (IMT) (as an index of atherosclerosis of carotid bulb), cardio-ankle vascular index (CAVI) (as an index for large arterial stiffness), heart rate variability (HRV) (as an index of baroreflex function) and sit-to-stand orthostatic blood pressure change (as a simple method for detecting orthostatic hypotension).
 Results: Of the 129 patients, mean age was 65.7 years and 32.6% were male. Hypertension, dyslipidemia and diabetes mellitus were diagnosed in 64.3%, 87.6% and 7.8% of the patients, respectively. Common carotid artery (CCA) IMT and carotid bulb IMT and internal carotid artery (ICA) IMT had significant positive correlation with CAVI (R=0.349, P<0.001; R=0.364, P<0.001; R=0.186, 0.035; respectively). Carotid bulb IMT and ICA IMT had significant negative correlation with high frequency (HF) component of HRV parameter (R=-0.183, P=0.038; R=-0.213, P=0.015; respectively), whereas CCA IMT had no correlation with HF. Only carotid bulb IMT had significant negative correlation with orthostatic systolic blood pressure (SBP) change (R=-0.211, P=0.016). In multivariable analysis using stepwise method, carotid bulb IMT had significant negative correlation with orthostatic SBP change (β=-0.194, P=0.022), adjusted for variables.
 Conclusions: Atherosclerosis of the carotid bulb was involved in the severity of orthostatic hypotension. Although possibility of the mechanism was thought to be stiffening of large arteries and baroreceptor dysfunction, further study is needed to evaluate the mechanism.

■きりつ名人関連論文

Relationship between Arterial Stiffness and Blood Pressure Drop During the Sit-to-stand Test in Patients with Diabetes Mellitus
 Y Kobayashi, T Fujikawa, H Kobayashi, K Sumida… – Journal of Atherosclerosis and Thrombosis, 2016

 


6.The Influence of Colored OLED Stimulation on Heart Rate Variability
■湯田恵美,小笠原宏樹,吉田豊, 早野順一郎 名古屋市立大学大学院医学研究科   医学・医療教育学分野

Background:In the contemporary life environments, our body is increasingly exposed to various sources of colored light, which may affect our physiological functions as non-image-forming effects. We examined the impacts of colored lights on the autonomic functions by the analysis of heart rate variability (HRV).
 Methods:A lighting device consisting of four organic light-emitting diode (OLED) modules (55 × 55 mm2) with adjustable red-green-blue color was secured 24 cm above the eyes of subject lying supine in a light-shielded laboratory. Following a 15-min supine rest, electrocardiogram and respiration were measured continuously during 3-min darkness, 6-min colored OLED illumination, and 3-min darkness under paced breathing (15 breath/min). The measurements were repeated at a 45-min interval for red, green, and blue lights with melanopsin-stimulating photon flux density (MSPFD) of 0.00, 0.10, and 0.20 μmol/m2/s, respectively, in 12 healthy subjects (23 ± 2 years, two females). Additionally, the effects of blue lights with 0.20, 0.10, and 0.04 μmol/m2/s MSPFD were examined in four healthy subjects (25–39 years, two females). HRV was analyzed for low-frequency (LF, 0.04–0.15 Hz) and high-frequency (HF, 0.20–0.30 Hz) power and LF-to-HF ratio (LF/HF).
 Results:Compared to darkness before lighting, HF power decreased (P < 0.001) and LF/HF increased (P = 0.024) during lighting on average of all color lights, whereas HF power showed a greater decrease with blue light than with red and green lights (P < 0.05 for both). The decrease in HF power lasted even during darkness after lighting (P < 0.001). HF power decreased with blue light with 0.20 μmol/m2/s MSPFD (P < 0.001) but not with that with 0.10 or 0.04 μmol/m2/s (P = 0.1 and 0.9, respectively).
 Conclusions:Vagal cardiac modulation is suppressed by OLED blue light in healthy subjects most likely through melanopsin-dependent non-image-forming effect.
7.マラソン(50Km・20Km)による自律神経応答(中高年マラソンランナーの場合) 
Autonomic nervous response of (50 Km and 20 Km) Marathon runners
■清水 智美1) 太田 眞2)
1)桐蔭横浜大学  医用工学部  生命医工学科
 2)大東文化大学大学院 スポーツ・健康科学研究科

目的】
 自律神経は常時刻々と変化し、交感神経と副交感神経の平衡を保とうと働く。我々はマラソン(50Km・20Km)時に自律神経がダイナミックに応答し、自覚症状では推測できない変化を捉えたことを検討してきた。今回は2016年5月8日に行われたマラソン大会において自律神経機能検査きりつ名人を使用しマラソン前後の自律神経応答を検討したので報告する。

【対象・方法】
 対象はマラソン大会参加者のうち、マラソン前後に測定することができた8名(男性6名、2名、年齢47歳から70歳、平均58.8±8.7歳)である。きりつ名人は心電図RR間隔を計測し時間領域解析・周波数解析にて1心拍毎の自律神経を定量化、アルゴリスムにより自律神経活動総合得点で表示される(最低0点~最高10点)。総合得点での検討に加え、個人の経時変化についても報告する。

【結果】
 きりつ名人スコア はマラソン後に前と比し有意に低下(前6.6±0.83、後2.4±0.65:P<0.01)した。
 また、そのうち前々回の同マラソン時において、マラソン前の自律神経応答が極めて不良な中年女性が、今回の直前の計測では自律神経機能が良好傾向にあり、50Km女子の部で準優勝しているという症例があった。

【結論】
 マラソン(50Km・20Km)の前後において、8名全員の自律神経機能(スコア)は低下した。自律神経パターンは個人多様であるが、コンディショニングの一つとして自律神経機能検査は有意義であることを確認できた。

%e6%b8%85%e6%b0%b4%e5%85%88%e7%94%9f

 

%e3%83%9d%e3%82%b9%e3%82%bf%e3%83%bc%e6%8e%b2%e7%a4%ba

img_0095

 bgm



【音楽の自律神経への影響】
 自律神経の活動は、音楽によって覚醒と鎮静の両方向に変化することが、非常に古くからのさまざまな研究でわかっています。基本的には、テンポが速くリズムや旋律が複雑な覚醒的音楽では、心拍や筋肉の緊張の増加がみられ、反対に、テンポが遅くリズムや旋律が単純な沈静的音楽では、心拍や筋肉の緊張の減少、皮膚温度の増加、皮膚電気伝導の増加がみられます。2012年にアメリカで行われた、11の研究のメタ解析でも、音楽療法を受けた群は受けなかった群と比較して、音楽療法の後で収縮期血圧と拡張期血圧の顕著な低下と、心拍数の顕著な減少がみられたことが示されています。
本日は音楽にも耳を傾けていただき、効果を感じていただければと思います。

【本日使用した音楽】
<くるみ割り人形 (作品番号71)>
 チャイコフスキーによって1891~1892年に作曲されたバレエ音楽。今日では、クリスマスの時期の出し物として、世界各国でさまざまな演出・振付で上演されている。普段私たちが音楽として楽しむ演奏会用組曲は、新作発表の演奏会のためにバレエ初演に先立って披露されたもので、第一楽章「小序曲」第二楽章「特色ある舞曲」として行進曲、こんぺい糖の踊り、トレパック、アラビアの踊り、中国の踊り、あし笛の踊り、第三楽章「花のワルツ」から成っている。
<ラデツキー行進曲 (作品番号228)>
 「ウィンナ・ワルツの父」と呼ばれるヨハン・シュトラウス1世によって1848年に作曲された、彼の曲の中でもっともポピュラーな作品。オーストリアの名将軍ラデツキー伯爵がウィーン革命の最中に当時オーストリア領であった北部イタリアの分離独立運動を鎮圧したことを祝って作られた曲。毎年元旦にウィーンから生中継される、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるニューイヤーコンサートで、必ずプログラムの最後に演奏される曲としても有名。
<ヴァイオリン協奏曲集 四季>
 ヴィヴァルディによって1725年に出版された「和声と創意の試み」作品8という協奏曲集(全12曲)の第一番から第四番が「四季」である。 「四季」を構成する4曲には、それぞれ「春」「夏」「秋」「冬」の標題と、四季の自然とそこに生きる人間の営みを歌った作者不詳のソネット(十四行詩)が付けられている。
<交響曲第六番ヘ長調「田園」第五楽章(作品番号68)>
 ベートーヴェンによって1807~1808年に作られた「田園」の最終楽章。「田園」は交響曲第五番「運命」とほぼ同時期に完成し一緒に初演された。「田園」という標題はベートーヴェン自身により付けられ、描写的な内容が盛られた曲として親しまれている。田園の風物を音で描いたものではなく、田園が人々に与える感情を、交響曲という形式で表している。

<引用・参考文献> 
Loomba RS, Arora R, Shah PH, et,al. . Effects of music on systolic blood pressure, diastolic blood pressure, and heart rate: 
a meta-analysis. Indian Heart J. 2012 ;64(3):309-13.クラシック名曲ガイド①~③ 音楽之友社 1994, 1995
クラシックの名曲100選 宮本英世 音楽之友社 1994

選曲指導 酒井博美先生 
 国立音楽大学音楽学部楽理学科卒業,日本女子大学大学院人間社会研究科心理学専攻修了(修士・心理学),東北大学大学院医学系研究科障害科学専攻内部障害学分野博士後期課程修了(博士・障害科学).専門学校,大学,大学院で心理学分野の非常勤講師.

交流会会場     みる×しる×くらす

今回集まりいただきました先生方に意見交換等行っていただければと思い、講演会の一部の後と、開催前に交流会の時間を設けました。


ライブ 鍼刺激の自律神経反射 

img_0008img_0017鍼刺激時の自律神経反射を帝京大学の先生方のご協力により実演。 特別な環境下ですが、瞬間的な変化を実際にご覧いたきました。
参考:「100Hz 鍼通電が唾液中分泌型免疫グロブリンA および自律神経系に及ぼす影響」 
 


 




 


 
鍼刺激時の自律神経反射

 






%e9%8d%bc%e3%80%80%e6%8b%a1%e5%a4%a7 

%e9%8d%bc%e3%83%a9%e3%82%a4%e3%83%96%e5%85%a8%e4%bd%93

 



 

きりつ名人 体験コーナー

img_0070

 

img_0083

 

img_9990

脳波体験

MemCalcによるリアルタイム脳波解析

㈱ジー・エム・エス社製品

書籍の紹介コーナー

meijin倶楽部ご賛同の先生方の書籍の一部をご紹介させていただきました。購入はインターネット等でも可能です。

%e6%9b%b8%e7%b1%8d%e3%81%ae%e3%81%94%e7%b4%b9%e4%bb%8b

 

 

 

 

 

 

 

はかってみる 見る

img_0075

 

 

 

 

 

 

img_9999

 

 

 

 

 

 

お忙しい中全国各地からお越しいただきありがとうございました。

協賛企業の皆様

ありがとうございました

・コニカミノルタ様

・グラクソ・スミスクライン株式会社様

・セント・ジュード・メディカル様

・株式会社エー・アンド・デイ様

・株式会社ジー・エム・エス様

会場運営では川崎市産業振興財団の皆様に大変お世話になりありがとうございました。

■主催 :臨床自律神経機能Forum

■共催 :川崎市医師会・川崎市内科医会・株式会社クロスウェル

 

臨床自律神経機能Forum 事務局

株式会社クロスウェル 藤井智恵子