漢方医学的診断で気虚、気逆を示す更年期不定愁訴例における改善例
症例ご提供:大阪医科大学 健康科学クリニック 後山尚久先生
“きりつ名人”は患者さんの治療のモチベーションを高め、間接的に治療効果を促してくれます
“きりつ名人”は大変鋭敏に自律神経活動をリアルタイムにとらえることができるため、
患者さんに検査後すぐに説明できます。そのことは患者さんの利益となり、またバイオフィードバックとして活用できるため、患者さんの治療のモチベーションを高め、間接的に治療効果を促してくれています。
【患者背景】
主訴:全身倦怠感、のぼせ、不眠、食事が美味しくない、易疲労感
現病歴:上記の症状で受診した内科で血液検査を何度も受けたが、軽度の高脂血症の指摘のみで異常はなかったため、更年期の疑いで婦人科受診を示唆された。しかし、ホルモン補充療法を4ヶ月受けたが改善しなかった。
【処方内容 経過観察等】
本症例は漢方診察すると、気虚、気逆であり、次に漢方薬による治療が試みられた。
自律神経機能検査(きりつ名人)では、状態自律神経活動(心拍のゆらぎ)が亢進しており、起立動作にともなう交感神経の反応が遷延的であることが判明した。(図1)
六君子湯合加味逍遙散の8週間の服用により、VASは68から22に顕著に低下した。
なお、状態自律神経活動(心拍のゆらぎ)も正常になり、反応自律神経活動において、
交感神経優位が速やかに形成され、緩やかに低下する正常反応となった。
初診時(図1)
六君子湯合加味逍遙散服用 8週間後(図2)
経過