熱中症の時の心拍変動解析
暑い夏の日、配達員の方が熱中症になられた時の貴重なデータです。
被検者は30代男性。開始時にきりつ名人ヘルスケアで測定した結果では、心拍数がやや速く、起立時の自律神経反応がやや低下していた。厚生労働省ストレスチェックの結果も最近1か月の状態として、疲労感、身体愁訴、活気が無いというスコアが高かった。
きりつ名人で測定後、メモリ心拍計(マイビート)を胸に装着し、心拍数(RR)を採取。後からクロスウェル社製ソフト「HRV名人」で解析した。
被検者にこの日のことを伺うと、「午前中の早い段階でどうも変だなあと思っていた。途中めまいもして、12時頃が一番きつく、心も折れてしまったという感じで、12時半には仕事を切り上げた。15時頃自宅に戻り落ち着いた・・・。」とのこと。
今回のデータでは、測定開始20分ぐらいで心拍数は130拍ぐらいまで上昇し、12時まで100拍から130拍ぐらいという高値が続いている。
また自律神経活動、交感神経、副交感神経の変動が大きい。途中めまいがしたということであるが、心拍変動解析結果に、迷走神経反射時と同様の自律神経活動の動きがみられる。
なお、今回の心拍計では残念ながら心電図の波形はメモリしていないため不整脈かどうかは確認できなかった。
(HRV名人では、体動・不整脈などによりデータが安定していない場合は自動除去し解析している。グラフにて安定度を表示。安定:100%)
【仕事開始時から自宅で休んでいる時】
■CVRR L/H グラフ
迷走神経反射の様子がみられる
参考:迷走神経反射の例 (Reflex名人にて測定)
参考文献
吉田豊,湯田恵美,早野順一郎,「携帯型心電図記録下でゴルフプレー中に起きた熱中症発症に至る自律神経動態の分析」,自律神経,Vol.54 ,№.1,pp,48-51,2017年3月
【朝 開始時きりつ名人ヘルスケアでの測定結果】
厚生労働省ストレスチェックの結果