現代のビジネスパーソンにとって、睡眠とストレスは切り離せないテーマです。今回の調査では、働く人628名を対象に行った分析から、睡眠の質が副交感神経活動やストレスにどのように関連しているのかを明らかにしました。その中でも、睡眠の質が良い人は、副交感神経が安静時だけでなく立位時にも適切に機能していることが分かりました。

今回、クロスウェルが提供する「きりつ名人HC」を用いて測定したデータを基に、628名の働く人の睡眠、ストレス、そして心拍変動の関係性を探ってみました。本調査では、安静時から起立時の心拍変動の変化に加え、睡眠に関する「ぐっすり休めたか」「気持ちよく目覚めたか」という主観的な評価や、厚生労働省のストレスチェック得点を用いて、その関連性を分析しています。

自治体職員 628人 女性:361人 男性:267名 
20代…112 30代…133 40代…150 50代…169 60代…64

女性の方が睡眠に問題を抱えている可能性が高い

働く人の4割以上が睡眠の課題を抱えている

「いつも ぐっすりと休め、気持ちよく目覚めている」と答えた人は、全体のわずか4%。
一方で40%以上の人が「睡眠に問題を抱えている可能性が高い」と回答。

働く40代・50代に多い睡眠の課題

・年代別の比率では40代50代の半分以下の人が、ぐっすり休め気持ちよく目覚めていない比率が高い。

働く女性に多い睡眠の課題

・性別では女性の方が、ぐっすりと休め、気持ちよく目覚めていない人の比率が高い傾向がみられます。ホルモンバランスの変化や仕事と家庭の両立が、女性の睡眠の質に影響している可能性があるのではないでしょうか。

ストレスと睡眠の質との関係

今回、「きりつ名人HC」を用いた分析から、睡眠の質とストレスの関係が明らかになりました。
睡眠の質(Sleep)は「最近2週間、全く、ぐっすりと休め、気持ちよく目覚めたか」という設問に対し6段階で評価。ストレスは厚生労働省のストレスチェック29項目(心身の反応)の合計点(Stress)で評価しています。(77点以上を高ストレス)

ストレススコア(Stress)が高いほど、睡眠の質(sleep)が低下することが確認されました。この結果は、ストレスが睡眠に影響を与えることを示唆しています。

ストレスと自律神経の関係

高ストレス(Stress2 ≥ 77)のグループでは、安静時および立位時の副交感神経活動が統計的に有意に低いことが確認されました。この結果は、高ストレス状態が副交感神経の抑制と関連している可能性を示唆しています。

睡眠の質と副交感神経活動の関連性について

今回、「きりつ名人HC」を用いた分析から、睡眠の質が非常に良い人(レベル5)は、非常に悪い人(レベル0)に比べて、以下のような特徴が確認されました:

  • 安静時: 副交感神経指標(CCVHF)が高く、リラックス状態を示す活動が活発である。
  • 立位時: 副交感神経活動が高い傾向が確認されており、起立時の交感神経の反応を抑制するために、副交感神経が適切に機能している可能性が考えられる。

これらの結果は、副交感神経活動の良好さが睡眠の質に寄与しているだけでなく、安静時だけでなく立位時の副交感神経評価が有用であることを示唆しています。

Sleep Level 0:睡眠の質が非常に良い 最近2週間、全く、ぐっすりと休め、気持ちよく目覚めていない
Sleep Level 5:睡眠の質が非常に悪い 最近2週間、いつも、ぐっすりと休め、気持ちよく目覚めている
BccvHF:安静座位ccvHF(起立前1分間の安静座位)(ccvHF:副交感神経指標)
RccvHF:立位ccvHF(起立後1分から2分の1分間平均)

測定方法などの詳細はこちら

クロスウェルユーザー様向けサイト meijin俱楽部では測定について紹介しています。

夜の副交感神経活動の活性化を目指して・・・・

副交感神経を活性化することは、良質な睡眠のために重要です。クロスウェルでは、夜間の副交感神経活動を促進するためのプログラムとして「こころの体操」を2025年1月から3月まで開催します。

ストレスが多い方でも、夜間の副交感神経活性化を意識することで、心身をリラックスさせ、ストレスの軽減が期待できます。
良質な睡眠を得るために、副交感神経を活性化させる日々の工夫を始めてみませんか?クロスウェルが提供する『こころの体操』にぜひご参加ください!