心拍の不思議
心拍の揺らぎ
心臓は一定のリズムで心拍を打ち続ける機能が備わっています。その心拍数を内因性心拍数と言います。
内因性心拍数は性などの区別はなく年齢にのみ相関します。
(内因性心拍数=117.2-(0.53×年齢) という式で表されます。)
一定のリズムで心拍を打ち続ける心臓の洞房結節に自律神経が働き(交感神経は速くする方向に、副交感神経は遅くする方向に)、一拍一拍速くしたり、遅くしたり変化させ心拍の揺らぎが発生します。
この心拍の揺らぎは、全心身の恒常性を維持する目的で合目的に瞬間的に行われています。
この揺らぎを解析しようとするのが心拍変動解析(HRV:Heart rate variability)です。
心拍と内因性心拍
心拍数は年齢ごとに正規分布しますが年齢相関はありません。
心拍数(HR)から内因性心拍数(iHR)を引いたHR-iHRは、年齢ごとに正規分布し、年齢に相関します。
交感神経は年齢と相関がなく、副交感神経が年齢と逆相関することから、
若年層は内因性心拍数は高いが副交感神経作用も高く、老年層は内因性心拍数は低いが副交感神経作用も低く
心拍数として年齢相関がなくなるという図式が理解されます。
心拍の起立応答
心拍数は年齢ごとに正規分布しますが年齢相関はありません。
起立時の心拍数から安静座位時の心拍数を引いた⊿HRは、年齢ごとに正規分布し、年齢に逆相関します。
自律神経の反射は年齢と逆相関することから理解されます。