山本健人1),吉田豊2),山田篤3),湯田恵美4),早野順一郎3)
1)筑波大学大学院 人間総合科学研究科  2)名古屋市立大学大学院 芸術工学研究科 3)名古屋市立大学大学院 医学研究科 医学医療教育分野 4)東北大学大学院 工学研究科 電気エネルギーシステム専攻

【目的】
近年,皮下組織の持続留置センサの普及によって日常活動下の間質液中グルコース濃度(ISFG)の持続的なモニタリングが可能となった.本研究では糖尿病患者の鍼治療を目的として,糖尿病2名を含む8名を対象に,鍼刺激後の夜間睡眠中におけるISFGの変化を評価した.
【方法】
対象は糖尿病2名(DM1:76歳,DM2:47歳)と健常者6名(48±10歳)で8名とも男性ある.鍼刺激は黒野式を用いて,木曜日の13時30から14:00の間で行った.ISFGはFree Style リブレフラッシュ グルコースモニタリングシステム(Abbott)を用いて2週間測定した.実験はクロスオーバーデザインを用いて,初めの木曜日に鍼刺激4名とし,残りの4名は翌週の木曜日に鍼刺激を行った.睡眠中のグルコース値は30分の平均値で算出した.

【結果・考察】
2週間のISFGはDM1:171[mg/dl],DM2:146[mg/dl]であり,健常者6名のISFGは102±6[mg/dl]であった.鍼刺激無しに比べて鍼刺激有りは,健常者のISFGは然程変化しなかったが,糖尿病は共に大きな減少が観察された.