佐藤俊介2)、高橋海人1)、鈴木卓也2)、脇 英彰1, 2)、玉井秀明1, 2)、久島達也1, 2)
1)帝京平成大学ヒューマンケア学部鍼灸学科2)帝京平成大学大学院健康科学研究科
【目的】
 安静時心拍数(HR)の生理的な日内変動は、午前より午後に高値を示す。日内変動の異常は各種ストレスに対する生体応答性を低下させることが知られるため、鍼刺激のHRへの反応性は、刺激する時刻によって異なる可能性がある。本研究は、HRと低周波鍼通電刺激(EA)時刻の関係を明らかにすることを目的に、午前及び午後のEA刺激がHRに及ぼす影響を検討した。
【方法】
 本研究は、帝京平成大学倫理委員会の承認を得て、健常男性18 名(20.93±1.27歳)を無作為に介入時刻が9時の午前介入群と16時の午後介入群に割り付け、ランダム化クロスオーバー試験を実施した。実験では、5分間の安静後、5分間の100HzEA刺激を行い、継時的にHR の測定を行なった。EA刺激の部位は頭部前髪際中央の外方1cmとその上方7cmとした。解析は脱落した3 名を除く15 名で行い、解析区間は刺激前20 秒と刺激後20 秒とした。統計解析は対応のないt検定を用いて行った。
【結果】
 HR の減少量は午前介入群と午後介入群で有意な差を示さなかった。しかし、安静時HR が午前より午後で高値を示す被験者と、安静時HR が午後より午前で高値を示す被験者に分類し解析したところ、前者は午前介入群より午後介入群においてHR の減少量を増加させた(p<0.05)。一方、後者は午前介入群と午後介入群を比較し、HR の減少量に有意な差を示さなかった。
【考察】
 EA刺激によるHRの減少は、HRの生理的な日内変動を示す被験者において、日内変動の高値を示す午後に顕著となったことから、HR日内変動に反応特性を示す可能性が考えられた。
【結語】
 安静時心拍数が午後に高値を示す被験者において、EA刺激は午前より午後の実施で心拍数を減少させることを確認した。