【アルギニン含有飲料の術前経口摂取が自律神経機能に及ぼす影響】

愛知医科大学医学部麻酔科学講座

安田吉孝 安藤一雄 猿渡寛子 藤原祥裕

(目的)アルギニンの投与は自律神経機能を賦活化すると報告されている(1)。本研究の目的は、術前夜、術当日朝にアルギニン含有飲料を服用した際の自律神経機能を心拍変動解析によって調べることである。

(方法)25−40歳の健康なボランティア8名を対象とした。20時に夕食を摂取した後、21時にアイソカル・アルジネートウォーター250ml(ネスレ社、アルギニン5,000mg含有、以下AW)を服用し、以後絶飲食とした。翌日8時に再び同量服用し、1時間後に心拍変動解析を行った。別の日に、20時に夕食を摂取した後絶飲食とし、翌日9時に心拍変動解析を行った。心拍変動解析は低周波数成分パワー;0.04-0.15Hz(LF)、高周波数成分パワー;0.15-0.4Hz(HF)、それらの比(L/H)を座位と立位で測定し、両日間での比較を行った。心拍変動解析には、株式会社クロスウェルのきりつ名人を使用した。

(結果)AW非服用時に比べ服用時、立位、座位ともにLF、HFは高く、L/Hは低い傾向を示した。

(結語)AWの術前服用は自律神経機能を賦活化する可能性がある。(参考文献)(1)Liver. 1998;18:27-31.

日本臨床麻酔学会第31回大会 2011年11月3〜5日 沖縄 p2-33-3